こんにちは。
30代独身持ち家女子、しょうこです(^^♪
前回の記事で、私流の日本の個別銘柄投資を行うコツについてお伝えしました。
投資初心者であるものの、私はそのやり方で半年で20万円ほどの利益を出せています。
基本的に自分で銘柄を選ぶ自信のない方は、運用機関にお金を預けたら、一定理論に基づいて投資先の銘柄選定と運用を行ってくれるETFがおすすめです。
それでも個別銘柄に投資したい方、ETFである程度投資にはなれたけど個別銘柄にチャレンジしてみたい方向けに、今回は個別銘柄で利益を出すコツの1つ、私流の割安株の見分け方についてご紹介します。
割安株を見分ける指標
割安株を見分けるためには、会社の価値に対して株価(投資家が支払う対価)が高いのか安いのかを調べる値を用います。割安株を調べるための企業の財務指標は以下の3つです。
PBR(株価純資産倍率)
PBRは会社の価値(この場合純資産で評価)に対して株価が妥当な水準かどうかを見極める指標です。
PBR=株価÷BPS(1株あたりの純資産)
となり、PBRが1となるとき、即ち株価と1株あたりの純資産が同じであるときに会社が解散した場合は、オーナーたる株主に残った資産を返還されることになるため、投資した額がそのまま返ってきます。
たとえば、購入時の株価が500円で1株あたりの純資産が1000円だったらPBRは0.5となり、
この状態で会社が解散した場合は投資した額より500円多く戻ってくるので“割安”ということになります。
逆に1000円で購入した株に対し、会社の純資産が1株あたり500円だったらPBRは2となり、
会社が解散したときに戻ってくる金額は投資した金額より少なくなり、“割高”です。
あくまで購入時点での純資産をもとにした指標になりますが、
PBRが1より小さければ割安、1より大きければ割高という1つの目安になります。
そして、PBRは株価が上がると大きく、純資産が増えると小さくなります。
PBRは1.1が底だと言われているようです。
1より小さい方が良いのでは?と思ってしまいますが、
通常、会社がPBRを1を割っている状態で長期間放っておくことはないから、とのこと。
低すぎても健全ではないということですね(^^;
逆に1より大きい株は割高だからアウト、と決めつけるのではなく、
PBRが高い=将来性を見込まれているため人気が高く、株価が高い
と考えることもできるからです。
まぁ、人気が上がってから買うと高いので、手は出しにくいですが、
株価の上がり始めでPBRが1をちょっと超えたあたりだと買い時かもしれません。
PER(株価収益率)
PERの計算式は PER=株価÷EPS(1株あたりの純利益) です。
計算式がPBRと似ている感じがしますが、
PERでは“利益”をもとに考えます。
株価はある意味その企業の“投資家からの人気”を表すので、
成長が見込まれる企業や、株主還元意識の高い(≒高配当)企業は、
現時点で実際に生み出している利益以上に未来への期待値が高く、株価が上がります。
つまり、PERが高ければ期待値が高い、即ち株価は割高ということになります。
PERは大体15くらいが平均であり、10くらいが買い時だと言われています。
計算上の話ですが、EPS(1株あたりの純利益)は1年間に稼いだ利益のことなので、
PER=株価(投資額)÷EPS(1株当たりの“年間”純利益)=投資額が返ってくるまでの期間(年)
とも考えることができます。
PER10はかなり良い数字ですが、それでも元をとるには10年はかかるということですね。
実際は買った額以上で売ればもちろん10年も待たなくても元は返ってきますが、
投資というもの自体が数日や数か月で元をとろうなんて考え方ではない、
ということがこの数値からも見てとれますね。
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
キャッシュフローとは、企業における“現金の流れ”です。
帳簿上は資金があっても、リアルタイムで現金がなければ各方面への支払ができません。
なので、企業の活動においては、資産だけでなく“現金の流れ”も重要なのです。
例えば、私の本業の調剤薬局業界で例えれば、調剤薬局の窓口ではほとんどの方が
3割負担で薬代を支払っているかと思いますし、公費で賄われている方もいるので、
薬局がリアルタイムで得られる現金収入って、得られた売上の3割未満ということなんです(^^;
では、残りの7割の方はというと、
翌月上旬に保険請求の審査機関にデータを送って、
そこで審査をされた後、保険者や各自治体から支払われるんですが、大体3か月遅れ。
でも、毎月薬の仕入れ代金やら従業員の給料、店舗や休憩室の家賃、
その他経費が色々かかるわけで、3割の現金収入でどう払えと?笑
まぁ、今月の支払は3か月前の7割が入ってくるから
実際に現金収入が3割しかないわけではないけれど、
こういう“すぐにもらえない現金収入”があると、
万が一その回収が遅れた場合に各方面への支払ができず破産するハメになるから、
企業としてはキャッシュフローの管理はきちんとしなければならないわけですね。
このキャッシュフローには3種類あるのですが、
PCFRはそのうち営業キャッシュフローと株価の倍率であり、株価の割安性の指標となります。
PBRやPERでは測れない割安性を見ることもでき、
一部研究では低PCFR銘柄に投資すると大きな利益が出やすいという結果も出ているんだとか。
営業キャッシュフローがプラスで、かつその値が大きいということは即ち、
企業の営業活動による現金流入が多く、
手元にしっかりお金を残して健全な経営ができていることになります。
PCFRの計算式は
PCFR=株価÷1株あたりの営業キャッシュフロー
となります。
つまり、株価が安い、または営業キャッシュフローが高いほど、PCFRは小さくなります。
マイナスにならない程度に小さい方が良い、ってことですね。
営業キャッシュフロー倍率は大体10くらいが目安と言われているようです。
0~10くらいに入っている銘柄を選ぶと、
健全な営業をしている企業と言えそうです。
その他、チェックしておきたい指標
一般に株価の割安性を示すと言われている指標で、私が注目しているものについて紹介してきました。
その他、私が注視している指標について紹介します。
配当性向
企業が得た利益のうち、どれくらいの割合を配当金に回しているかを示したもの。
高いと株主還元意識が高い企業ということなので嬉しいですが、
高すぎると無理しているということなので健全ではないですね。
50~60%くらいだと無理もなく、伸びしろも感じられてちょうど良いところかなと思います。
自己資本率
銀行からの借金があると、なかなか株主に還元してもいられません。
配当性向が高いのは嬉しいことですが、銀行から借りているお金が多いと、
いざ経営が振るわず利益が出なかったときに、
銀行にお金を返すために株主への配当金や株主優待はカットされる可能性もあります。
配当がなくなるだけなら良いですが、当然、不満をもった人が株を売ったり、
人気がなくなったりするので株価も暴落するリスクがあります。
30%くらいの企業が多い印象ですが、50%くらいあると非常に安心できる気がします。
借金はないに越したことはありませんので、大きければ大きいほど良いと言える数値です。
ROE(自己資本利益率)
自己資本をもとに、どれだけ多くの利益を上げられたか、つまりどれだけ効率良く利益を上げる力があるかを示す指標がROEです。
株主が出資した金額は自己資本に含まれる(借金ではないため返済する必要がない)ため、
株主にとっては自分が出資した金額に対して、どれだけの利益が期待できるのかを示す指標になります。
ROEは10以上だと優良企業だと言われています。
ちなみに有名な米国株なんかだと、ROE50とか60とか出してくる企業がゴロゴロあります(驚愕)
純利益を自己資本で割った値なので、大きな利益を生み出すほど数値も大きくなります。
指標をスコア化して、優良株を探し出す
それぞれの指標の意味と目安がわかりましたでしょうか?
私は更に、それらの値を自分なりにスコア化して一定スコア以上の株を購入するようにしています。
このスコア化によって買った株で失敗したことは今のところありませんので、
良かったら参考にして頂ければと思います。
【R5.7/29 追記】
今回の記事で紹介している財務指標の他に、企業の負債と返済能力に関する指標を加え、企業の財務安定性についてより詳細に評価できるようスコア表を改定しました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
スコア化の例
銘柄 | 配当利回り <5%> | 配当性向 <50%> | 連続増配年数 <16年< | PBR <1.1> | PER <10> | 自己資本率 <50%< | ROE <10< | PCFR >10> | スコア |
A | 2 | 3 | 1.25 | 3.5 | 3.33 | 6.5 | 3.75 | 10 | 33.33 |
B | 5 | 3.33 | 3.75 | 2.5 | 5 | 2.5 | 10 | 5 | 37.08 |
銘柄B:配当利回り5% 配当性向75% 連続増配年数12年 PBR 0.55 PER 10 自己資本率 25% ROE 20 PCFR 10
上のスコア表は、各項目5点配点(限界突破あり)として、各項目をスコア化したものです。
項目の下の数値はスコアが最高値となる基準を示していて、両脇の不等号は数値が基準値より低く(左)なったらスコアがどうなるか、高く(右)なったらスコアがどうなるかを示しています。
銘柄Aの配当利回りを例にとると、配当利回りの基準5%に対し、2%と低くなっているので、
銘柄Aの配当利回りスコア=5点(配点)×2%/5%=2点
となります。
もし、利回り8%の銘柄だったら、
配当利回りスコア=5点(配点)×5%/8%=3.125点
になります。
基準値より良い値か否かで分母分子がひっくり返るわけです。
PCFRのように、基準値より小さい方が良い値だったら、
銘柄AのPCFRスコア=5点(配点)×10/5=10点
と、基準値に対する比でスコアを算出しています。
スコア表は45点満点(限界突破あり)ですが、
大体8~9割くらいだったらかなり有力候補。
上の表だったら銘柄Bを恐らく買うでしょう。
(銘柄AもBも計算しやすいように私が今適当に考えた数値ですが)
素人が色々調べて考えたスコア表なので信じる信じないはお任せしますが、
大事なのは、スコアの信頼性もですが、“きちんとルールを決めて売り買いする”こと。
どこの誰が買ったから、みたいな自分の意思も理論もない状態で買うと、
絶対ブレるので。
割安株の見分け方 まとめ
私が割安株、優良株を見分けるときに注目している指標とその評価の仕方について紹介してきました。
尚、詳しいことはまだまだ知識不足なのですが、
指標は業界ごとに特徴があったりするようなので、
単純に指標やスコアだけで判断せず、同じ業界どうしで比べてこの値はどうなのか?
も比べた方が良いと思います。
例えば、銀行業界は何かの法律で自己資本率は低い水準に保たなければならないと聞いたことがあります。
今はSNSの時代なので、「次は○○が上がる」といった情報に溢れています。
それが正しいときもありますが、
大抵情報が流れたときには上がっている最中であって安くは買えませんし、
そもそも誰にも予想できないのが投資なのに、
「みんな上がるって言ってるから!」を理由に買うのは危険だと私は思っています。
参考にする指標は何も私と同じである必要はないですし、
そもそも私もまだ初心者の素人ですが、
他人の流言に流されて後悔するくらいなら、
自分の頭で考えた根拠で、自分のルールを作って運用した方がよほど安全。
これで失敗したら、自分のルールを今度は失敗しないようにと改良するだけです。
このルールを作るにあたっても、目安値などは1か所の情報ではなく複数サイト、
複数文献を探して、この基準が良いだろうと設定しています。
投資マイルール設定のメリットや他のみんなの投資マイルールは以下の記事でご覧ください。
まだたったの数か月ですが、今のところ失敗はなく、
ローリスクミドルリターンで運用できているので(10%くらいは利益出ました)
計算方法や目安値の設定などぜひ参考にしてください。
丸パクリして失敗しても責任は負いませんのでいきなり大金をつぎ込まないでくださいね(^^;
イマイチだったらご自身でアレンジなさって最適解を見つけてください。
私からは方法論のご提案でした♪
今回ご紹介した指標に加えて、負債と返済能力のバランスについて評価する指標を加味した改良版スコア表もご紹介させて頂いているので、そちらも併せてご覧ください!
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