投資を始めたばかりの初心者は、まだ「どんな株が良いのか」「今買ったら得なのか」「今売ったらもったいないかな・・・これからまた上がったら悔しいな」と株式投資についてわからないことが多いですよね。
だから、何を買うべきか、いつ買うべきか情報を求めます。
この時、本当に投資で成果を出し、資産を増やしていきたいならば、
「この銘柄を買うべき」「今が買い時」
この答えをそのまま教えてもらうのではなく、「リスクを減らし利益を最大限に享受できる優良銘柄はどうやって見つければ良いのか」という方法論を身につけることが近道です。
そこで今回は、投資で成果を出すためにみんなが実践している「投資マイルール」をまとめ、投資初心者の方、投資でうまくいっていない方のヒントになるよう、分析していきたいと思います。
投資マイルールとは?自分のルールを設定するメリット
投資マイルールとは何でしょうか?
投資でうまく稼いでいる人、大きな失敗をしない人は必ず、自分なりに投資手法に関するルールを決め、必ず守っているといいます。
まずは投資マイルールを設定するメリットをいくつか考えていきたいと思います。
投資マイルールの定義と重要性
「投資マイルール」とは、株式投資において購入する銘柄を決めたり、売買する価格・タイミングを決めたりするときに参考にする判断基準のことです。
参考といっても、基準を決めたのに状況や情報に流されてブレていたのでは意味がありません。
投資マイルールは決めたら必ず守るべきものです。
一度投資を始めると、日々の値動きに一喜一憂して冷静な判断ができなくなってしまうことがあります。だから、どんなときも淡々と自分で決めたルールに従って機械的に投資を行うことが、結果的にはリスクを最小限に抑え、最大限の利益を得られることが多いのです。
ルールに従うことで得られる効果と安心感
投資初心者は、まず投資に関する知識を得たいので、インターネットやSNS上の情報を求めることが多いと思います。しかし、ネット上には嘘の情報や情報源の不確かな情報がたくさん飛び交っています。
プロであっても株価の予測はかなり難しいもの。「これからこの株が上がる」という情報は憶測でしかありません。しかしここで、投資初心者はわからないから他者の情報にすがり、失敗しやすいのです。
また、投資をしているときは、日々の株価に一喜一憂し、メンタルが不安定になりやすいです。長期保有すれば上がったのに、一時的に暴落したショックで早まって売ってしまったり、損失を取り戻そうと「○○の株が上がる」という儲け話に乗って更に失敗したりと不安定なメンタルは更なる失敗を呼んでしまいます。
「○○株が上がる」という情報が出たときには既に多くの人があなたと同じ情報を見て注目されています。そのため結果的に株価は上がるのですが、自分が情報を目にしたときには既に上がり始めているので、大きな利益は得られません。他の人があまり目をつけていなかった株に誰よりも早く目をつけ、投資を行うのが投資で大きな利益を得るためのコツです。
そのため、他者の情報に流されず自分の判断基準で上がりそうな株、リスクが少ない株を見極め、買い時、売り時を決めるルールを設定することで、日々の値動きに振り回されないようになり、結果的に大きな安心感と利益が得られるようになるのです。
自分のルールを設定する方法とポイント
では、自分の投資ルールはどのように設定すれば良いでしょうか。
本記事では参考に多くの方の投資マイルールを紹介していますが、上手くいっている人のルールをそのまま真似すれば自分も上手くいくとは限りません。
しかし、他の人が設定しているルールを組み合わせたりアレンジしたりすることで、自分に合ったルールを見つけることはできると思うので参考にしてください。
私はできるだけ、数値化できるルールを設定するようにしています。
抽象的なルールでは、いざ儲け話に心が揺れてしまっているとき、暴落でメンタルが不安定なときにルールの解釈に甘くなってしまうのが人の性だからです。
気になる株が出てきても、経営指標が基準値に達していないものはばっさり切り捨てる、数字で決めれば余計な拡大解釈はできず、ルールを守らざるを得なくなります。
個人個人で目標とするリスクとリターンの大きさ・バランスが異なるので、自分の目標をきちんと定めた上で、自分のリスク許容度や目標リターンに合わせたルールを作るのがポイントです。
みんなが実践している投資マイルールの例
では、投資をしている人達はどのようなマイルールを持っているのでしょうか?
みんなの投資ルールを覗いてみましょう!
ここに紹介している他の投資家さん達のマイルールをただマネするのではなく、必ず自分の投資スタイルに合っているのかを少しずつ精査しながら取り入れられるものは取り入れ、必要があればアレンジして「自分なりの」投資ルールを築いてください。
くれぐれも「有名投資家の〇〇さんがこういうルールだと言ってたから、同じルールで全財産つぎ込んで△△社の株買いました!」なんてことはしないでくださいね。
銘柄の購入是非を決めるルール
上場企業の株は日本だけでも何千社もあり、更に外国株もとなるとどんな銘柄が良いのかわかりませんよね。では、他のみなさんはどうやって購入する銘柄を決めているのでしょうか。
成長株の選定ではシンプルにEPS(一株あたりの利益)がどれだけ伸びているかに目をつけている人が多いようでした。
安定株、成熟株でこの基準をそのまま真似するとほとんどの株が弾かれてしまうので0~10%以内に数字を調整すると良いでしょう。
EPSが前年より20%以上伸びていると、急成長している企業と思って注目してみても良いと思います。
インフルエンサーが話題にした株は一見良さそうですし、実際伸びる可能性はありますが、インフルエンサーが話題にした瞬間から多くの人が注目しており、自分が目にした瞬間には既に株価が上がり始めて割高になっていると考えた方が良い、という考えで私も手を出しません。
3つめはあのウォーレン・バフェットも実践しているルールです。
世界的に有名な投資家、ウォーレン・バフェットも世の中が注目している株には手を出さず、自分のルールに則った銘柄しか購入しない投資スタイルを貫いています。
そのウォーレン・バフェットは自己資本率の高い株(ROEの高さも自己資本率がリンクする)に注目していたといいます。借金が少なく、自己資本をもとに効率的に稼げる力を持っている企業を注視していたようですね。
購入・売却タイミングを決めるルール
購入したい優良銘柄や成長株などが決まったら、できることなら、優良銘柄をできるだけ安いタイミングで購入したいですよね。
株価が上がってきたら、今度はどこで売ろうかと迷うはず。
売った後に上がったらどうしよう・・・と後悔はしたくないけれど、「まだ上がる」と思って売らずにいたら突然下がってしまって後悔することも。
そのためにも購入・売却に関するルールは決めておきましょう。
投資の基本は分散投資。同じ銘柄を購入するときでもタイミングを分散すると平均購入株価を下げることができるため、まとめ買いをしない、大きく下げたときに買い増す、を心がけている方も多いようです。
ただし、「下がったときに買って平均購入株価を下げる」方法は「難平(ナンピン)買い」とも呼ばれ非常に難しい方法です。平均購入株価が下がれば、利益を得るために必要な価格は下がりますが、保有株数が増えるので上がらなかったときにかえって損失が大きくなるからです。
初心者は下手に手を出さず、まずは損切から覚えましょう。
PERは現在の株価が割安かどうかを知る1つの指標です。
PERは株価を1株あたりの利益(EPS)で割ったもの。15以上になると割高と言われますが、成長が見込まれる人気株はどうしても割高になります。
でも、PERが30の株のEPSが毎年1割伸びたら、6~7年後くらいには適正価格。
EPSの伸び率とどれくらいの期間で利益を見込むかによってラインを調節してみると良いですね!
次は、売却し、利益を確定する際のみんなのルールを見ていきます。
売却(利確)ルールは+10~20%くらいを目安に設定している方が多いように思います。
資産運用は大体年利10%くらいで運用できるのが理想と言われているので、10%利益が出せれば十分な成果と考えられるからでしょう。
統計的・数学的に考えてもトータルで考えられる年利は10%くらいなので、妥当なラインと言えます。
実際に投資で得られる年利を試算してみた結果は以下の記事を参考にどうぞ。
成長株に投資するなら+50%くらいを狙っても良いと思いますが、成長株はリスクも高いことは心得ておきましょう。
リスク回避のため10%の手前で半分売却し、ある程度の利益を確保しておくという手法をとっている方もいらっしゃいました。売却時も分散することでリスクを抑えつつ利益を確保することができるのでこのルールもおすすめ。
目標株価とは、PER算出式を応用して株価=EPS×PERで求められます。
ただし、これは来期のEPSやPERを予測しなければならないので、投資家によって見解は異なりますが、各銘柄の目標株価は様々なメディアで掲載されていますので、検索してみればまだ上がりそうか、そろそろ打ち止めかの目安にはなるので参考にしてみてください。
損切り・利確の基準を決めるルール
投資は絶対ではないので、株価が下がり、損をすることもあります。
いつかは上がると信じ持ち続けることで利益が出る場合もありますが、上がるまでに何年もかかるのなら売却して他の銘柄を購入し、別の銘柄で取り返した方が早い場合もあります。
ここではみんなが損切と塩漬け(損切せず上がるまで待ち続けること)の判断をする基準を紹介します。
損切の基準は5%~10%くらいに設定している人が多いようです。
5~10%くらいなら損をしても他の株で取り返しやすいからでしょう。
かといって、損失の割合を少なくしすぎるのもおすすめはできません。
値動きの激しい成長株や上下を周期的に繰り返す株では、簡単に-10%を切ることがありますが、すぐに跳ね返ってプラスになることも多いので、そう簡単に損切してもらっては困ります。
損切はリスク許容度と成長株か安定株かで損切ラインの設定も大きく異なるので一概にどれくらいが良いと言えないところはありますが、もともと長期投資のつもりだったのか、短期投資のつもりだったのかによっても異なります。
長期投資のつもりなら、長い時間をかければ取り返せるかもしれないので損切ラインを低めにしておいても良いかもしれませんね。
投資マイルールの見直しと改善の方法
投資マイルールは直近の投資実績や問題点に応じて定期的に見直し・改善を心がけましょう。
実際に私が投資マイルールの改善を図った結果は以下の記事を参照してください。
投資マイルールの評価と検証の必要性
投資マイルールはなぜ定期的な検証が必要なのでしょうか。
投資マイルールはあくまで他者の情報に惑わされないための自分の軸となるものです。
「このルールに従ったら必ず利益が出る(或いは、損失が出ない)」とは限りません。
株式市場の状況も時代の流れとともに変化しています。
今までうまくいっていたルールがこれからも通用するとも限らないのです。
そのため、一定期間においてマイルールに従った結果、予測通りの結果になったのか、成功しているならその理由を、失敗したならその理由を見極め、新たなルールを設けたり、購入基準を調整したりすることで更に失敗しにくく利益の出やすいルールに近づけることができる可能性があります。
投資に絶対はないので、必ずしも失敗しないわけではありませんが、少なくとも他者につかまされた株ではなく、自分の考えでつかんだ株で失敗することで、更なる結果の評価検証を繰り返し、より投資の知識と経験を深めることができるのです。
ルールの見直しと改善のタイミングと手順
では、マイルールの見直しはいつどのように行えば良いでしょうか。
マイルールの見直しを考えるべきタイミングは、以下のような状況のときが考えられます。
どんな優良銘柄でも景気や為替相場の影響を受け、業績が低迷したりすることはあるので、ある程度定期的に見直すことをおすすめします。
「最近うまくいかないな・・・」と思ったら市場の状況が原因だったりすることもあるので、この2つはリンクしているところはあると思いますが、何か変化を感じたら見直してみるようにしましょう。
表向き日本の景気が悪くなくても、米国景気の悪化が業績に大きな影響を及ぼす銘柄もあるので、日経平均株価だけ見て好景気と判断するのも危険。
となるとやはり定期的には見直した方が良いでしょう。
自分が投資に関してより深い知識を得たときにも、応用できないか考えてみるのも良いですね!
ルールに柔軟に対応するためのコツと注意点
投資マイルールだけに縛られてしまうと、せっかくの儲けの機会を逃すこともあります。
しかし、マイルールをいちいち曲げてしまってはルールの意味がありません。
状況に応じてルールを柔軟に緩和することと、ルールを曲げてしまうことは厳密には違いますが、両者の違いをはっきりさせておかなければなりません。
ルールから逸脱するケースでは、暴落による焦りから精神面が不安定になること、他者の儲け話に乗せられてしまうことによる誤った判断を起こしやすいという懸念があります。
もし、ルールから逸脱した取引を行うのならば、感情や他者の考えで動かないこと!
“注目されている株”に注目しているのは、他者であって自分ではありませんよね?
情報を“自分で”分析した上でルールと異なる判断をするのが柔軟な対応です。
投資マイルールを設定して安定したリスクとリターンをキープしよう!
投資におけるマイルールの設定の重要性と、ルール設定のコツは理解して頂けたでしょうか?
繰り返しになりますが、設定するルールは各々が目標とするリスクとリターンのバランスや大きさによって異なるので、ここで紹介した「みんなの投資マイルール」はみんながどのような考えで、どのような点に注目して購入銘柄や売買のタイミングを決めているのか、を知る参考程度にとどめ、自分なりにアレンジまたはオリジナルのルールを設定してみてください。
ルールは簡単に破れないよう、なるべく数値を用いた判断基準で設定することをおすすめします。
ルールの定期的な見直しと、ルール改正のための分析も定期的に行うようにしましょう。
もし、何らかの事情でルール通りに行動することが正しいのか悩んだときは、きちんと状況を分析し、感情や他人の頭で動かないように注意しましょう。
筆者が設定した投資マイルールは以下の記事を参照してください。
もしどうしても値動きに振り回されてしまう、不安になって感情的な売買をしてしまう、という場合はAIや投資ファンドにすべてお任せするのもありです。
投資ファンドへのお任せ(投資信託)やAI投資についての解説記事は以下を参照してください。
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