Webライター副業で多く稼ぐには、できるだけ1つの記事を効率的に速く書いて数をこなす必要があります。
普通に会社にお勤めする場合だと、働いた時間に対して賃金が支払われるため、むしろ仕事が遅い人の方が残業代がもらえるというジレンマがありますが、
フリーランスで働くということは、こなした仕事の質と量に対して対価が支払われるため、残業なんてせずに短時間でできるだけ多くの仕事をこなせばこなすほど多く稼ぐことができるからです。
つまり、Webライティング業務の一部を自動化できれば大幅な時間短縮が可能となり、短時間でより多くの報酬を得ることができるのです。
そこで前回までの記事では、Webライティング業務の時短テクニックについて紹介し、プログラミングによる自動化や、AIを使った自動化について解説してきました。
AIをWebライティングに活用することで、記事作成の効率化や、よりSEOに強い記事を作ることが可能ですが、実際どのAIを利用するのが効果的なのでしょうか。
最近では様々なAIが台頭してきているため、どれを使えば良いかわからず困っている人もいるでしょう。
今回は文章生成ができる3種のAI提供サービスにまったく同じ指示を出してタイトルと見出しを作ってもらったら、それぞれどんな文章を作ってくれるのか、その特徴を比較してみたいと思います。
はじめに
まずは前回の記事を読んでいない人、「生成AIって何?それがWebライティングとどんな関係があるの?」という人のために簡単におさらいで生成AIとWebライティングについて解説します。
生成AIとは何か?
生成AIとは、入力された指示(プロンプト)をもとに文章や画像、動画、音楽を生み出すAIのことです。
近年非常に開発が進められていて、学習した様々な情報をもとに瞬時に成果物を生み出すことができるのです。
もし、人間に「東京駅の絵を描いて」と頼んだら、どんなに絵が得意で東京駅周辺の風景に詳しい人でも風景を思い出して絵を描くのに何十分もかかるはずです。
しかしAIならば東京駅前の風景の情報を一瞬で探し出し、瞬時に絵にしてしまうのですから画家も商売あがったりですね。
しかし、AIを活用することで何十倍もの業務効率化につながり、どんな仕事においてもメリットにつながり得ることは否定すべくもありません。
なぜ生成AIを使うのか?
Webライティングをするためにはただ文章を書くだけでなく、作成した記事が検索エンジンに高く評価され、検索にヒットしやすくなるためのキーワードを散りばめながら書かなければなりません。
検索結果で上位表示されそうなキーワードを探し、そのキーワードの月間検索回数を調べ、キーワードが適切かを判断しては考え直し・・・の繰り返しです。
当然ながら、良い記事を書く前には事前調査や検証、校正などが不可欠であるため、どうしても時間がかかるのです。
そこで、AIをこの「キーワードを選定する→キーワードを含めた文章を考える」という作業をお任せできれば、何十分かかる作業を一瞬で終わらせることができる、と考えたわけです。
AIは膨大な量の情報を一瞬で処理し、その中から答えを見つけるのが得意ですから、キーワードの検証などお手の物、私達人間が一文考えるのにウンウンうなっている間に迷いなく全文を書き上げてしまうのですから、これを活用しない手はありません。
今回の比較方法と対象AIの紹介
さて、今回はWebライティングの仕事に最適なAIを探すために、3種類のAIを使って同じ文章を作らせたときに出来上がる文章の特徴、こちらの指示をどれだけ汲み取ってくれるかなどを比較してみたいと思います。
同じ文章で指示を出さなければ検証の意味がないので、今回の検証に使ったプロンプト(AIへの指示)を以下に提示しておきます。
検証に用いるAIは検索エンジンの画面から無料で手軽に使える「Google Bard」と「BingAI」、有料サービスである「Catchy」の3つ。
上記のプロンプトを用い、AIに同じ記事のタイトルと目次を作ってもらいます。
Google Bardの結果と評価
Google BardはGoogleが提供するAIで、現在はまだ試運転中です。
とはいえ、特に機能制限があるわけでもなく普通に使えます。
検索エンジンとしては世界最大級のGoogleの提供するAIですから、Googleのもつ膨大な量のWebデータを入手することができますし、Googleの検索結果に上位表示されるコツを誰よりも知っているはず。これは期待できそうですが、果たして、出来上がった文章は・・・?
タイトルと目次
さて、以下はGoogle Bardさんが作ってくれたタイトルと目次です。
実は初回は意図が伝わらず、「大見出し1→中見出し3つ→大見出し2→中見出し3つ→・・・」という構成ができ上がる予定が、「大見出し3つ→中見出し3つ」という構成で作ってくれてしまったんですね。
そこで、「大見出しの中に中見出しを3つ続けるように作ってください」と伝えた回答が以下の通り。
文章の特徴とメリット・デメリット
Google Bardが作ってくれたタイトルと目次は簡潔でわかりやすく、自然な文章です。
見出し毎にどんな内容の本文を書けば良いのか、SEOのポイントなど一言解説を添えてくれているのでこちらも意図を汲みやすいですね。
時々何の関係があるのかさっぱりわからないタイトルを提示してきて解説なくて「何を書いたらいいのかわからないんだけど!笑」ってことがよくあるので、これはありがたい。
デメリットを感じたのは、ブラウザのサイドカラムで使えるBing AIと違って、わざわざタブを切り替えないと使えないこと。
文章の質と解説付きの親切さがあることを重要視するならばGoogle Bardがおすすめ。
1つだけ、大見出し3の内容が私が期待したものと違った・・・
私は「Google Bard」「chatGPT」とかツール名を挙げてほしかったのだけど・・・
「Google Bard」を推してこない、かといってあえてあざとく自分を含めず他を紹介するでもない、わざとなのか謙虚なのか?笑
BingAIの結果と評価
BingAIはMicrosoft社が提供しているAIで、Google Bardと同様に検索エンジン「Bing」から簡単に使えます。
BingAIのもととなるデータはあのchatGPT-4であり、直接chatGPT-4を使おうと思ったら有料になるところ、BingAIを利用すれば無料で使えるのです。
昨今話題のchatGPTですから、もちろんその文章力とSEO対策には大きな期待が持てそうです。
タイトルと目次
Bing AIに作ってもらったタイトルと目次は以下の通り。
文章の特徴とメリット・デメリット
私は使いやすさの面でBing AIをよく使っているのですが、少々気になっている点が3つ。それは、
- 目次が長すぎる(文字数制限してるのに無視?)
- 情報が間違っていることがある
- 何となく文章が硬い
目次がタイトルっぽくなく、解説文みたいになってしまっていることが結構多いんですよね。
Google Bardは解説文を入れてくれていましたが、Bing AIは気まぐれです。
入っているときもあるのですが、「あ、今回は解説文入り・・・いや、違う!見出しが長すぎる!笑」となることが多々あります。
Bing AIも出来上がった文章に「もっとこうして」という注文を加えることができるので、「見出しが長すぎます。30文字以内におさめてください」と言ったら直るから良いのですが。
元となっているAIは膨大な知識量が売りのchatGPTなので、知識量が多すぎるがゆえに情報を簡潔にまとめて伝える、ということが苦手なのでしょうか・・・
・・・情報の間違いも少し気になります。
例えば、おすすめAIツールの中にchatGPT-3を挙げていますが、現在は無料で使えるのが3.5、有料なのが4と進化しているので今更chatGPT-3をおすすめする・・・?
いずれにせよAIを使うからと言って事実確認を怠ってよいということにはならないので、自分で最新の情報にアップデートすれば良いのですが、簡潔にまとめればこういうことにはならないのに、わざわざボロを出している気がしてならない。
でも、ブラウザのアイコンからワンタッチで使えるのが便利で使い続けてます。
この便利さで無料なら仕方なし。
でも、Google Bardが正式リリースになったらもっと使いやすい場所に設置されると思うので、そうなったらGoogle Bardへの完全移行も要検討かなー・・・
Catchyの結果と評価
CatchyもchatGPTを利用したAI執筆ツールです。
同じAIを利用したサービスをいくつも検証して意味があるのか?
仮説ですが、AIは対話の内容から情報を得て更に学習を重ねていくものなので、同じAIを利用していてもプロンプトの出し方や使うタイミング、サービスなどによって様々な影響を受けていると考えられるので、同じAIを使ったサービスだからと言ってまったく同じ文章ができるとも限らない、と考えたわけです。
ともあれ、まずは検証してみましょう!
・・・と、ここで問題発生。
Catchyのような記事執筆専門のAIサービスは、プロンプトをこちらで全文書くわけではなく、必要な情報を入力して文章作成を進めていくのです。つまり・・・
そもそも検証の共通条件となるプロンプトが入力できなかった!
しかも「タイトルを作成」「導入文を作成」「見出しを作成」と項目が分かれてる。
うーん・・・でもここで文章を変えたら検証の意味がない・・・
ということで、検証用のプロンプトを「記事のトピック」のところに入力してみました!笑
タイトルと目次
さて、記事のトピックを検証プロンプトにした結果は?
不自然なタイトルになってしまうのでは?
出来上がったタイトルは以下の通り。
さすがAI、うまい具合にキーワードと必要な部分だけ拾ってくれたのか、不自然な文章にはなりませんでした。本来はここに、キーワードをたくさん入力するものなのでしょう。
むしろ、タイトルだけ見ると一番人目を引くキャッチコピーになっているかも。
ただし、制作の意図を理解できていないタイトル(AIがまったく含まれていないなど)もありますし、次の導入文作成では「タイトル」と「記事に書きたいこと」を入力する必要があるので、この中から4番のタイトルを選んで導入文を作ってみました。
通常私は導入文にはAIを利用していませんが、見出しを作るときに必要な情報になるため今回はAIに作ってもらっています。もちろん自分で作っても可。
「記事に書きたいこと」の欄には検証用のプロンプトの【テーマ】と【背景】の部分だけコピペしました。
文体を「カジュアル」に設定したのでちょっと元気が良すぎる文章になっていますが、こちらも自然な文章です。
見出しを作るのに「タイトル」と「導入文」が必要なので、今回はタイトル4と導入文2を利用して見出しを作ってみます。
文章の特徴とメリット・デメリット
さて、Catchyで作った見出しは簡潔でわかりやすく、かつキーワードをしっかり押さえたものとなっています。
SEO対策におけるキーワード選定とおすすめAIツール紹介の項目など、最低限入れてほしかった項目は含まれています。強いて言うなら時短とか効率化みたいなキーワードは欲しかったですが、選んだタイトルが効率化に関するものでなかったので仕方ありません。
時短・効率化のメリットを盛り込めそうな見出しはあるので本文中に自分で入れ込んでいけば良いでしょう。
Catchyを使った感想、ポイントは4点。
- 記事執筆に特化したサービスだけあって、出来上がる文章はもっとも自然で簡潔。
検索上位でよく見かけるような人目を引くキャッチコピーが書ける。 - 「タイトルと見出しを作りたい」という希望を叶えるために、タイトルを作って、導入文を作って、目次を作って・・・と3段階踏まなければならない。
作業は簡単だから良いけれど、三度手間ではある。 - キーワード選定はある程度自分でやっていることが前提
- 元はBing AIと同じchatGPT。同じchatGPTでこれほど自然でわかりやすい文章が書けるのなら、Catchyのプロンプトの出し方をヒントにプロンプトのテンプレートを再度検証すれば、Bing AIでもよりすっきりしたタイトルと目次を作れるのではないか。
Catchyを全面的に利用すれば、記事を完成まで作ることも可能ですし、全部書いてもらうわけでなくても参考となる文章は書いてもらえます。
出来上がった文章は最も自然でわかりやすく高品質なので、積極的に利用したいですがいかんせん有料サービスなので、できれば利用は最小限にとどめたい。
そこで考えたのは、Catchyを有料で何度か利用を繰り返し、プロンプトの出し方と出来上がる文章の関係性を検証を繰り返し、Bing AIやGoogle Bardに出すプロンプトの鉄板テンプレートを作り上げれば、無料で使えるAIで十分に使えるのではないか?ということ。
記事のジャンルやドメインの強さ、競合の状況などによってテンプレートの作り方もある程度変わってくると思うので、ぜひ自分の業務内容に合ったテンプレートを作ってみてください。
まとめ
3種類のAIにまったく同じ指示を出し、Web記事のタイトルと目次を作ってもらいました。
その結果を以下にまとめます。
生成AIの比較結果とおすすめ度
完成したタイトル・目次の品質は有料である「Catchy」が最も高い印象でした。
「Google Bard」は簡潔かつシンプルですが、簡潔な解説も入っており親切。
Web記事のSEOとは、すなわちGoogleの検索エンジンに表示されやすいキーワードを含めることですから、誰よりも詳しい人に意見を求めることができます。
ただし試運転中なので今後の利便性向上に期待。
Bing AIはタイトルと見出しに情報を詰め込みすぎて、見出しが長くなったり不自然になったりしがちな点が気になりますが、プロンプトを改善することで向上が期待できそうです。
なんといってもブログエディタを開きながら、あるいは記事作成のための調べものをしながら傍らで作業をしてもらえる便利さは他のAIにはかないません。
生成AIを使う際の注意点とコツ
AIに記事を作ってもらえるのは非常に便利ですが、出来上がった文章をそのままコピペしただけでは自分が作った文章とは言えません。
Web記事が検索で上位表示されやすくなるかどうかは、記事のオリジナリティも評価に含まれていますから、AIが作った文章に自分だけのオリジナリティ、自分の言葉というのを盛り込むのは忘れないようにしましょう。
そこで私がおすすめしているのは記事のタイトルと目次だけAIに考えてもらって、本文はすべて自分の言葉で書く、という方法です。
参考までに全文書いてもらっても良いのですが、最終的にはすべて自分の言葉で書くようにしましょう。
今回Catchyを利用して感じたのが、Catchyが文章を作る手順も
「1.タイトルを作る(主題を決める)」→「2.導入文を書く(大まかな内容を決める)」→「3.見出しを決める(全体の構成を決める)」→「4.本文を書く」
なのです。本文を書くにあたって、タイトルと内容、見出し文の情報がないと作ってくれないんですよ。つまり、自分で全文書くとしても、記事作成の手順はこの手順で書くのが正解。
で、AIを利用するにあたっては1~3までをやってもらって、自分のオリジナリティーある言葉(本文)で肉付けするのがベストな使い方だと思います。
ぜひ、AIを活用して効率的にWebライティングの仕事をはかどらせてほしいと思います!
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