iPhoneのショートカットで投資銘柄の評価スコアを簡単計算する方法

資産運用

最近、iPhoneのショートカット機能にハマってまして、素人でもできる簡単なプログラミングみたいなものなので、ぜひいろんなことに活用すれば時短・効率化につながると思っているわけです。
本格的なプログラミングには及びませんが、それでも日常のちょっとイラっとする軽作業を自動化することでだいぶストレスは減りますよね。

そこで今回は、私が投資銘柄を選定する際に行っている”スコア評価”をiPhoneで自動化しちゃおう!という計画についてのお話です。
私は投資を始めて1年で100万稼ぐに至ったこの”スコア化”の手法を、もっと手軽で効率よく稼げるツールに進化させちゃいます!

投資銘柄の評価スコアとは?

「投資は一定の自分ルールを守って他者の考えや噂に流されず自分の考えで行う」

当ブログで度々繰り返してきた言葉です。
そのため、私は投資銘柄の財務指標をスコア化して価格やタイミング的に投資に適しているかを判定しています。
投資マイルールの設定の意義については以下の記事をご覧ください。

スコアの計算方法

財務指標のスコア化は、指標ごとに一定の数値を基準として基準値とどれくらい離れているかによってスコア化します。
数値によっては基準値より大きい方が良い数値と、小さい方が良い数値、はたまた大きすぎても小さすぎてもいけない数値があるため、単純にプラスマイナスで表せません。
そのため、基準値に対する割合でスコアを計算しています。

詳しい計算方法、考え方は以下の記事で紹介していますが、
例えばPCFRは値が小さいほど割安株と判断できるので、10を基準に小さければ小さいほどスコアを高くしています。

投資銘柄スコアの計算例

PERを例にとって計算してみます。
もし調べたい銘柄のPERが5なら 5÷10(基準値)×10=5
一方、調べたい銘柄のPCFRが15なら 10(基準値)÷15×10≒6.7

こうして計算した各指標ごとにこれらのスコアを足していって、総合スコアで評価するわけです。
なかなか良い結果は残せているので、理論としてはすごく良いと手前味噌ながら思うのだけれど、

なにせ例のように数字によって分母分子がひっくり返ってみたり、スマホで計算結果を表に書き込んだり、証券会社のアプリに戻っては電卓を開いて計算して、またNumbersを開いて表に書き込んで・・・

を繰り返しているのでとにかく面倒くさい。
画面を切り替えなくてもスコア計算ができればいいのに・・・

スコアの活用方法

株式投資において、企業の経営状況、財務指標を見て投資に適しているか判断することを「ファンダメンタル分析」と言います。
この財務指標のスコア化はファンダメンタル分析の一種と言えるでしょう。
スコアは100点満点なのですが、限界突破OKの計算方法になっているため、私はこのスコアで100点を超えたものに対して投資を行っています。

チャートの動きを見るのも大事なのですが、わざと原則通りのチャートにならないように価格操作する人もいるので、チャートを見て上がりそうだという理由だけで買うと失敗します。
「経営状態の良い企業は、少々失敗しても再起できるし、成長のための事業投資に使える資金もたくさんある」というポリシーのもと、私はファンダメンタル分析を最重要視しています。

iPhoneのショートカットとは?

では、iPhoneのショートカットを使った自動化・効率化とは何でしょうか?
当ブログでは筆者もやっているWebライター副業について、iPhoneのショートカット機能を使って作業を自動化する方法について紹介しました。

投資スコア計算をiPhoneのショートカット機能を使って時短する方法を紹介する前に、iPhoneのショートカット機能を簡単に解説しておきます。

ショートカットの作り方

まずはショートカットのアプリを開いて、右上の「+」ボタンを押してショートカットの作成画面を開きましょう。
ここから開きたいアプリや実行したい作業を選んで追加していくのですが、知っておくと便利な機能を以下に紹介しておきます。【  】内がショートカットの機能の名前です。

知っておくと便利なショートカットのワザ
  • 【入力を要求】・・・ポップアップが現れ、テキストや数字の入力を求められます。
              【テキスト】に「〇〇を入力してください」などと入力し、続けて
              【入力を要求】の“プロンプト”を長押しして【テキスト】に設定すると
              何の入力を求められているのかがわかるようになります。
  • 【計算】・・・2つの数字の足す引くかける割るができます。
           【入力を要求】で入力した数値を計算に使うこともできます。
  • 【メニューから選択】・・・ケースによってその先の作業が異なる場合に使います。
                 画面上部に選択肢を選ぶポップアップが現れます。
                 例えば、選択肢を
                「Tポイント」「dポイント」「楽天ポイント」「Pontaポイント」
    としておき、それぞれの選択肢にポイントアプリを開く作業を設定
                 すればポイントアプリを探してレジで慌てることがなくなります。
  • 【変数を設定】・・・【計算】や【入力を要求】の内容によってその後の作業の結果が異なる
               場合に使います。
               例えば、【計算1】と【計算2】の計算結果を使って、【計算3】を
              行うとき、計算結果をそれぞれ【変数1】【変数2】としておけば、
              【計算1】【計算2】の結果が変わっても、結果に合わせて【計算3】を
              行ってくれます。
              【入力を要求】の内容に合わせて【テキスト】の一部を【置き換え】
              することもできます。                              

投資スコアの自動計算のショートカットには、主にこれらの機能が使われれています。
上に挙げた機能が使えればショートカットの便利さの恩恵を十分に受けることができるのでぜひ、活用してみてください。

ショートカットの実行方法

ショートカットはホーム画面にアイコンとして置いたり、ウィジェットを設置したり、という方法でワンタッチで起動することができます。
その他、背面ダブルタップ、トリプルタップでも起動できます。
最新のiPhone15なら本体側面のアクションボタンにも設定できるため、ホーム画面に行かなくても起動できる方法が3つもあって非常に便利です。

ちなみに私は投資スコア計算のショートカットは背面ダブルタップに設定しています。
ショートカットは起動中に別のアプリを手動で起動すると中断されてしまう場合が多く、ホーム画面でショートカットを起動してから証券会社のアプリを開くとそこで止まってしまいます。
そのため、証券会社のアプリを開いてからショートカットを起動できる方法である必要があるのです。

投資に利用する以外でも便利な使い方はたくさんありますから、ぜひ色々試行錯誤してやってみてくださいね!

iPhoneのショートカットで投資銘柄の評価スコアを計算する方法

では、さっそく投資銘柄の評価スコアを計算するショートカットを作ってみましょう。
1つ1つの工程は難しくないのですが、10項目分(ここは自分で好きにアレンジしてください)作るとなると、全体の工程はすごく長くなるのでちょっと作るのは大変かもしれません。
根気よくコツコツやっていけばできるのでやってみてください。

必要な財務指標

ファンダメンタル分析の際に一般的によくチェックされている財務指標は、PBR、PER、ROE、PCFRなどかと思います。
参考までに私がチェックしている財務指標と目安としている基準をご紹介します。

銘柄配当利回り
<5%>
配当性向
<50%>
連続増配年数
<16年<
PBR
<1.1>
PER
<10>
自己資本率
<50%<
ROE
<10<
PCFR
>10>
有利子負債比率
>80>
流動比率
<200<
EV/EBITDA倍率
>8>
スコア
A462.576.66137.52020108104.66
B106.667.55105201085895.16
銘柄A:配当利回り2% 配当性向30% 連続増配年数4年 PBR 0.77 PER 15 自己資本率 65% ROE 7.5 PCFR 5
    有利子負債比率40% 流動比率200% EV/EBITDA倍率10
銘柄B:配当利回り5% 配当性向75% 連続増配年数12年 PBR 0.55 PER 10 自己資本率 25% ROE 20 PCFR 10
有利子負債比率100% 流動比率100% EV/EBITDA倍率10

この表は以前別の記事で紹介したスコア計算例です。
詳しくは前回前々回の記事を参照してください。

繰り返しますが、何を見て投資を決めるかはあくまで「自分の考えに従うこと」が大切です。
それを見てご自身が良いと思えばマネすれば良いですし、自分の考えに合っているものだけ取り入れるのもありです。
もしそのまま利用するのであれば、ご自身で結果と照らし合わせた再検討と、状況に合わせたアレンジを行ってくださいね。

他の記事では、ショートカットをそのまま共有しているのですが、本記事では自分で考えて頂くために敢えて作り方だけお伝えしてショートカットの共有はなしにします。

ただし、もしこの記事を見ても作り方がわからず、うまくいかない場合は、「お問い合せページ」または「SNS経由」にてご連絡頂き、「この指標を使ってショートカットが作りたい」とご相談頂ければ作り方の指南、場合によっては作成例の共有などは行いますのでお気軽にお問合せくださいね!

ショートカットの設定方法

計算式と数値は項目ごとに作っていきます。
①大きければ大きいほど良い数値、②小さければ小さいほど良い数値、③大きすぎても小さすぎても良くない数値、とその指標ごとに評価の仕方が変わり、計算方法も変わってくるので、①~③に分けてショートカットの設定方法を解説します。

①大きければ大きいほど良い数値(自己資本率、流動比率、ROE)
  1. 【テキスト】「〇〇を入力してください」
  2. 【入力を要求】 ※1のテキストを”プロンプト”に設定し”数値”を要求
  3. 【計算】 ※”指定入力” ”÷” ”基準値(指標ごとに決めた固定値を入力)”
  4. 【計算】 ※”計算結果” “×” “10(指標ごとの配点を入力)”
  5. 【変数を設定】 ※”自己資本率(各指標の名前でOK)”を“計算結果”に設定
②小さければ小さいほど良い数値(有利子負債比率、EV/EBITDA倍率、PCFR)
  1. 【テキスト】「〇〇を入力してください」
  2. 【入力を要求】 ※1のテキストを“プロンプト”に設定し“数値”を要求
  3. 【計算】 ※”基準値(指標ごとに決めた固定値を入力)” ”÷” ”指定入力”
  4. 【計算】 ※”計算結果” “×” “10(指標ごとの配点を入力)”
  5. 【変数を設定】 ※”PCFR(各指標の名前でOK)”を“計算結果”に設定
③大きすぎても小さすぎても良くない数値(PBR、PER、配当利回り、配当性向)
  1. 【テキスト】「〇〇を入力してください」
  2. 【入力を要求】 ※1のテキストを“プロンプト”に設定し“数値”を要求
  3. 【メニューから選択】※”プロンプト”→「”PER(指標名)”は・・・」
  4. 選択メニューの項目を作る「10(基準値)以上」「10(基準値)未満」
  5. 【10以上】の項目の下に
    【計算】 ※”10(基準値)” “÷” “毎回尋ねる”
    【計算】 ※”計算結果” “×” “10(配点)”
  6. 【10未満】の項目の下に
    【計算】 ※”毎回尋ねる” “÷” “10(基準値)”
    【計算】 ※”計算結果” “×” “10(配点)”
  7. 【メニューの終了】の下に【変数を設定】
    ※”指標名”を“メニューの結果”に設定

順番は何でも構いませんが、全部の指標が同じページに書いてあるとは限りませんので、各項目の最後に出来上がったすべての項目の変数を足していけばスコアの完成です。
・・・と、このままだとiPhoneが勝手に計算して、結果を教えてくれずに自己完結してしまうので計算結果を教えてもらわなければなりません。
すべてのスコアの足し算が終わったら、最後に④を付け加えてください。

④結果の表示方法
  1. 【変数を設定】 ※”合計スコア(変数名)”を”計算結果(すべてのスコアを足したもの)”に設定
  2. 【テキスト】 ※「この銘柄のスコアは≪合計スコア≫点です」
  3. 【テキストを置き換え】 ※”テキスト”の”≪合計スコア≫”を”合計スコア(変数名)”に置き換える
  4. 【結果を表示】 ※”アップデートされたテキスト”を表示

こうすると、「この銘柄のスコアは≪合計スコア≫点です」の≪合計スコア≫の部分が計算したスコアの数字に置き換えられて、ポップアップとして表示されます。

1点補足すると、私が使っている投資アプリは、配当利回りや配当性向が提示されていないので、自分で計算する必要があります。
配当利回りや配当性向の計算自体も自動化することはできますが、計算結果をもとに基準値以上か未満かを【メニューから選択】しなければならないので、計算した結果の配当利回りや配当性向を教えてもらわなければなりません。
この場合も④と同じ方法でポップアップに結果を表示させることで解決します。

ショートカットの使い方

このショートカットを、証券会社や投資銘柄が検索できるアプリやブラウザを開いた状態で使いましょう。
ホーム画面で起動してからブラウザやアプリに遷移しようとするとショートカットが止まってしまうので注意です。
背面タップかアクションボタンに設定すればうまくいくと思います。

もし、「背面タップやアクションボタンにはもっと使用頻度の高い便利なショートカットを設定したい!」という場合は、このショートカットの一番最初に

  • 【“アプリ”を開く】(アプリの場合)
  • 【URL】→【URLを開く】(ブラウザの場合)

を付け加えて、ブラウザやアプリを開く行為がショートカットの作業の一貫となるようにしてしまえば、ホーム画面のアイコンからスタートしてもショートカットが中断されません。

あとは、ポップアップの指示に従って数値を入力していくだけ。
もう、アプリやブラウザと表計算アプリを行ったり来たりする必要がありません。
簡単に優良銘柄のスクリーニングができます!

iPhoneのショートカットを使って投資銘柄選定を便利に!

株式投資で一番時間と気を遣うところは、投資銘柄とタイミングを決めるところ。
各指標をよく見て十分にファンダメンタル分析を行った上で、チャートの動きもよく見て投資対象を決めたいところですが、あまりに時間をかけすぎると、せっかくの購入チャンスを逃してしまうことも。効率よく銘柄のスクリーニングを行うために、作業の自動化・効率化が欠かせません。

そこで今回は、iPhoneの便利な機能、「ショートカット」を使って、投資対象スクリーニングを一部自動化する方法を紹介しました。
気になった銘柄も、その場ですぐファンダメンタル分析できれば購入タイミングを逃さずに済みますし、衝動買いして失敗するリスクも減らすことができます。

ただし、ファンダメンタル分析だけで今後の値動きがすべて予想できるわけでも、優良銘柄なら今後の値上がりが約束されているわけでもありません。
直近の業績や国内外の景気、チャートの動きの法則も決して軽視できない要素です。
スコアが高ければ何でも良いということではなくて、経営状態が良い企業をスクリーニングし、その中から安定した企業や上がる見込みのある企業を様々な情報を精査して選んでいくイメージですね。

とはいえ、それらの膨大な作業の一部を自動化できるのはものすごく時短になります。
とても便利なのでぜひ活用してみてくださいね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました