賃貸 VS 持ち家 家賃がもったいないという考え方は正しい?

探し方

こんにちは!
30代独身持ち家女子のしょうこです(^^♪

私は31歳のときに「家賃がもったいない」という理由で中古マンションを購入しました。
買ったこと自体はまったく後悔していませんが、
実際、賃貸の家賃は本当にもったいないのか?という点について検証してみたいと思います。

初期費用の観点から比較

以下、比較の都合上、我が家と同じ設定で月々の支払額を16万として計算します。

賃貸契約にかかる初期費用

賃貸マンション・アパートを借りる場合、契約時に初期費用がかかります。

賃貸契約時の初期費用(概算)

敷金(1か月分)+礼金(1か月分)+仲介手数料(1か月)+保証料(1か月分)=60万円

不動産屋や貸主によっては仲介手数料や敷金礼金を無料にしてくれている場合もあるので、これらがすべてかかるとも限りませんが、50~60万円くらいは覚悟しておいた方が良さそうです。
この他に、火災保険の加入が必須の場合もあります。

購入にかかる初期費用

マンション購入に必要な初期費用については別の記事でもまとめているので、
詳しい内訳等はそちらを参考にしてください。

中古マンションを住宅ローンを組んで購入する場合、
大体購入価格の5~10%の初期費用が必要になります。

私は4500万円のマンションを購入して、
不動産屋から7%程度の初期費用を見込んでおくように言われており、
実際ほぼ誤差なくそれくらいかかりましたので、315万円。
賃貸の初期費用とはけた違いです。

この初期費用を払うことで、その物件が自分のものになるかならないかの違いはあるものの、
金額で比べてしまえば圧倒的に賃貸の方が費用が抑えられますね。

維持費の観点から比較

賃貸を借りた場合の維持費

家賃

賃貸を借りる場合、これは絶対に避けられない出費ですよね。
本記事の例でいくと、月々の支払額を16万とすると後述する共益費を除いて15~15.5万くらい。

ポイントとしては毎月15万も払っても、自分のものにはならないということ。
ただし、メリットもあって、

賃貸物件のメリット
  • 常に新しい家に住むことができ、飽きたら別のエリアに移り住むことも可能
  • 隣人トラブル、店舗異動など、都合の悪いことがあったときにも住み替えられる

など、常により良い環境に移動することが可能です。
自分のものにはならないけれど、それが利点になる場合もありますね。

共益費

家賃の他に、別途共益費の支払が必要になることが多いです。
貸主が支払っている管理費の一部を借主が負担します。

大体1万円前後であることが多いでしょうか。
ここでは1万円として、計算します。

更新料(約2年毎)

賃貸の契約は2年更新のところが多いですが、
契約更新の際に更新料を払うのが一般的です。
多くは家賃1か月分です。

住宅を購入した場合の維持費

住宅ローン

私の家と同じ設定で考えますと、住宅ローンの月々の支払額は12万2千円ちょっとです。
これを繰り上げ返済なしだと35年間払い続けることになります。

繰り上げ返済をせずに35年間返し続けると4500万円で購入できるマンションが、総支払額が5150万円くらいになります。
借金をするわけなので、利子がつくことによって物件そのものの価値以上の支払額になってしまうことがネックです。
しかし、35年間払いきればそれ以降の月々の支払額はかなり抑えられます。
売ることができれば実際は差額分の支払しかしていないことになるので、物件の価値以上の支払をしなければならない点を除けばかなり利点はあると思います。

管理費・修繕積立金

マンションの場合、管理費・修繕積立金がかかります。
専有部分の面積にもよりますが、月額1~2万くらいはかかる上に、築年数が増すにつれて高くなっていきます。

私の場合は、築23年の46㎡で管理費・修繕積立金合計35000円くらいです。
家賃よりマシとはいえ、ローンが払い終わった頃にはもっと高くなっていることでしょう(^^;

固定資産税・都市計画税

固定資産税は不動産を持っていると必ず課される税金です。
土地の評価額(購入価格ではない)を基に計算されるため、毎年変動しますが、
都内にある私の自宅マンションで昨年9万円。
広さや場所にもよるけど大体年間10万円前後とみておけば良いでしょうか。

40年間でかかる総費用はそれぞれどれくらい?

では、上記の初期費用~維持費を含めてローン支払い期間(35年)+5年=40年間の総支払額を算出し、比較してみます。
5年間足したのは住宅ローンが終わった後のことを考えて家賃とどちらがお得なのかも検証するためです。

賃貸の総支払額

契約時1~35年目35~40年目
初期費用60万円
維持費(月額)家賃+共益費計16万円
 ×12か月×35年=6720万円
家賃+共益費計16万円
 ×12か月×5年=960万円
維持費(年額)更新料7.5万円(年間0.5か月分)
    ×35年=約260万
更新料7.5万円(年間0.5か月分)
    ×5年=約38万
40年間計     約7980万円

ざっと8000万円近くかかる計算になりますね。
しかし、そもそも賃貸の利点は“常に新しい家・新しい環境に住み替えられる”点でした。

これだと一生同じ賃貸物件に住み続けている計算になるので、
住み替えをする場合は、その度に

初期費用(60万円)+引っ越し費用(5万前後)-更新料(15万円)=50万円

契約更新のタイミングに合わせて引っ越せば更新料はかからないので、
その分は引いて計算しました。
引っ越しの回数にもよりますが、賃貸の利点を生かすならば8500~9000万円くらいになることが予想されます。

持ち家の総支払額

契約時1~35年目35~40年目
初期費用315万円
維持費(月額)ローン+管理費・修繕積立金計16万円
 ×12か月×35年=6720万円
管理費・修繕積立金計4万円
 ×12か月×5年=240万円
維持費(年額)固定資産税10万円
    ×35年=約350万
固定資産税10万円
    ×5年=約50万
40年間計     約7675万円

40年間住み続けた場合の総支払額は、7675万円と、300万円ほど購入した場合の方が得をする計算となりました。
ただし、35年目までの合計を見てみると、逆に300万円ほど賃貸の方が総コストが低くなっています。
契約時の諸費用と、固定資産税が響いていると考えられます。

ただし、持ち家の場合はこのコストを下げる方法があります。

1つは、住宅ローン減税です。
すべての物件に適用されるわけではありませんが、適用されれば、
最大520万円が所得税から(引ききれない場合は住民税からも)控除されます。

もう1つは、繰り上げ返済です。
繰り上げ返済を行うことで住宅ローン残高にかかる利子を減らすことができます。
上記の表を見比べれば、賃貸と持ち家で大きな差が出るのは住宅ローン完済後であることは一目瞭然。
繰り上げ返済を行い、少しでも早く36年目以降の状態に持っていければ、
より大きな差が出ることになります。

どれくらい自分に返ってくるのか

では一定期間の支払を終えた後、賃貸と持ち家それぞれ何が残るのでしょうか?

賃貸の場合は言うまでもなく何も残りません。
お金を払っても人のものを借りただけなので、
どんなに長く住んでいても自分のものにはなりません。
支払も終わることはなく、払い続けなければ住むところもなくなります。

ただし、“自分のものではない”ということが利点になる場合もあります。
たとえば災害などで住む家がなくなったときでも、
自分のものではないのでお金さえ何とかなればいくらでも住み替えが可能です。
持ち家だとなかなかそうもいきません。

では、持ち家は?
当然、ローンを払い終えれば完全に自分の家となり、
他の物を失っても住む家だけは残ります。
ローン加入時に団体信用保険に入るため、
大きな病気やけがで働けなくなった場合はローンの支払はなくなります。
マンションの管理費と固定資産税だけ払えれば良いのです。

賃貸の場合は働けなくなって収入が激減した場合でも、
家賃を払い続けなければなりません。
国からの社会保障費で暮らしていかなければならないので、
もともと住んでいた綺麗な家に住み続けられるとも思えません。

一方で、持ち家の場合は災害などで住めるような状態でなくなってしまったら、
ローンだけ残って家はなし、修理すれば住めるとしても修理費は自分持ちです。

ただし、何事もなく無事にローンを払い終えることができれば、
売却してそれを元手に住み替えも可能です。
(売却自体はローンを払い終えなくてもできます)

都内だと、築50年くらいの物件がリノベーションされて3000万円弱くらいで売りに出ていたりします。
もし、4500万円の物件が3000万円で売れたら、実質支払は1500万円で済んだことになります。
自分の資産になるということは、土地が値上がりしていれば売却価格も高くなり、
支払額は少なくなります。

何に対して払う対価なのか

賃貸では、基本的には支払うお金のほとんどがサービスに対して支払う金額です。
総支払額に対して、物件そのものの価値への対価の占める割合は大きいです。
余計なのは更新料と初期費用くらいなので350万円くらいです。
(引っ越し回数が増えればもっと増えますが割合としては1~2割くらい)

一方で持ち家の場合は、総支払額のうちの多くは税金や、
管理会社や不動産屋、銀行、司法書士などへの手数料、
そして住宅ローンの利子であり、
上記の表のうち、それらの金額は3000万円超。
物件そのものの価値に対する支払額の割合は半分弱ということになります。

総支払額は持ち家の方が少なくなる可能性は高いものの、
そのうち、物件の価値そのものに対して支払っている金額の占める割合を考えると、
「実はコスパは良くない」「利子を払っている“ローンの方がもったいない”」
と考えることもできるのです。

同じ金額を払ったときに、どんな家に住めるか?
という点からも考えてみます。

月々16万円の支払(管理費・修繕積立金込み)ならば、
築30年前後フルリノベーション済み、50㎡前後で駅近の物件はたくさん見つかります。
築浅のコンパクトマンションという選択もできるでしょう。

賃貸の場合、月16万円台、かつ賃貸の利点である“常に新しい物件に住むことができる”を生かすならば、新しくてもどうしても狭くなったり、駅から遠くなったりします。

都内はどうしても土地が高いので、広さの影響はかなり顕著に出てしまいます。
私は築9年、24㎡1Kの賃貸から築22年、46㎡の2DKの持ち家に引っ越しましたが、
面積はほぼ2倍ですが、月々の支払は11万→16万(約1.5倍)です。
その上、駅からの距離も近くなっています。

同じ地域で同じ広さ、駅からの距離の賃貸を探すと月20万円くらいになってしまうので、
「同じ支払額でどんな家に住めるか?」という意味でのコスパは持ち家の方が良いことになります。

このあたりは価値観の違いですね。
広い家に住みたかったので広い家を買いましたが、
月16万のローンを払って一人暮らしにはもったいない広さの家に住むなら
家賃13万円相当の賃貸にアップグレードでも良かったのではないか、とも思います。
途中で結婚でもしたら、住み替えられるのが賃貸の利点ですからね。

幸い、私の場合は割と早い段階で結婚の話が進み同居人が増えたので、
結果論、二人暮らしに十分なサイズの部屋になりましたが、
ライフステージの変化が起こりうる年齢では購入には踏み切りにくいと考えるのが普通かな、と思います。

賃貸 VS 分譲 比較まとめ

賃貸、持ち家購入の場合の初期費用から住宅ローン完済後までの期間にかかる総支払額を算出し、コスト面の比較をしました。

総支払額で考えると長く住むほど持ち家の方が得をすることがわかりましたが、
40年間の支払額で比べると、
“賃貸なんて家賃がもったいない!”と言い切れるほどの差ではなく、
むしろローン支払い期間の35年間だけで比較すると、賃貸の方が安いという結果になりました。
しかし、住宅ローンや繰り上げ返済をうまく利用することができれば、
持ち家の維持コストを賃貸より安く下げることが可能です。

支払額だけでなく、持ち家の“売ることができる”という点も考慮すると、
結果的には支払額と売却価格の差が実質の支払額になるので、
実質コストはとても安いということになります。
しかし、持ち家は災害などで住めなくなったときのリスクがあるので
注意が必要です。

“家賃がもったいない”という考え方の答えは、
「物件そのものに対して払っている対価」という意味でのコスパは賃貸の方が良く、
「同じ支払額で住める家」という意味でのコスパは持ち家の方が良いため、
価値観によって決まると言えそうです。

マンション購入を考えるにあたっては、
“自分にとって家に求めるもの”をよく考えて、
よりその考えを生かせる物件に住むためには、
購入すべきか、賃貸にすべきかを検討した方が良いでしょう。

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